チェリーだより

愛着って何?

皆さん、『愛着』という言葉をご存じですか? 「このぬいぐるみには愛着がある」とか「愛着があってこれは手離せない」など、日常でもよく使う言葉ですが、今回は発達心理学における『愛着』についてお話したいと思います。発達心理学における『愛着』とは、子どもが特定の大人との間で結ぶ、愛情と信頼を持った心の結びつきのことです。
 一般的に『愛着』は乳幼児期から形成され始めると言われています。乳幼児期に特定の大人に対し抱く感情が『愛着』で、人見知りをしたり、後追いをしたり、やがて成長するにつれてその特定の大人がそばにいなくても「愛着の維持」ができるようになり、「自分は愛してもらえる存在だ」という確信になります。子どもの心の発達としてとても重要な発達で、その後の心の発達や人間関係に大きく影響します。これが将来、人間が「人を信じ、自分を信じて生きていく」ための基本的な感情へと育っていくのです。

 では、「人を信じ、自分を信じて生きていく」ために必要な『愛着』を作るためには、親はどんなことをすれば良いのでしょう。子どもが親の顔色を伺いながら生活する環境では、『愛着』は形成されません。子どもが望んだままに愛され、親に対し本音でモノを言えるように育てられて初めて『愛着』という感情が子どもの心の中に広がっていきます。
 例えば、子どもが悪いことや危険なことをしているとき、どのように注意していますか? 「悪いことは悪い」と、子どもの自尊心を傷つけないように諭すことを心がけましょう。子どもの存在を否定したり、叱りとばしたりしてはいけません。
 では一方で、褒めるときや普段の生活ではどうでしょうか?大げさなくらい大きなリアクションで褒めてあげること、小さな子は抱っこなど、ある程度の年齢になればハイタッチなどでもいいでしょう。日常生活でスキンシップはとっていますか?
 乳幼児期にはイヤイヤ期もあれば、言葉がどんどん成長して反抗的なことを言う時期もあります。そんなときもすぐに怒らず、一呼吸おいて、一度頭の中でぐるっと考えてから、子どもが自分に自信を持つことができるような声掛けを心掛けられるといいですね。

 参考:佐々木正美 福音館   『はじまりは愛着から 人を信じ、自分を信じる子どもに』

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